2016.02.10
病気になる、風邪をひく、強い紫外線(放射線)を浴びる、ストレスを感じる…。これらの状態をすべて「からだの酸化」ということができます。ヒトの体は酸化的ストレスを受けると、体内のビタミンCを消費して対応します。これはがんについても同様で、がん患者さんのビタミンC血中濃度は非常に低いことが血液検査からわかります。
ビタミンC血中濃度を4000(㎎/ml)以上に保つと、ビタミンCががん細胞への攻撃に直接働く「抗がん剤」として作用するといわれており、海外では2007年に日本の厚生労働省にあたる米国FDA(米国食品医薬品局)が、この効果を承認しています。
高濃度ビタミンC点滴療法とは、一度に50000㎎以上のビタミンCを点滴投与することによってビタミンCの抗がん剤としての作用を発揮させるというもので、これには次のような利点があります。
①〈化学療法にみられる副作用がほとんどない〉血管痛、口渇感、打撲している部位が痛むといった症状が出る場合はありますが、いずれも簡単に対処できます。
②〈延命効果がある〉当クリニックでも余命宣告をされたが数年たった今でも元気に点滴に通ってきている患者さんがたくさんいます。
③〈化学療法との相乗効果〉抗がん剤の副作用によるQOLの低下を軽減する、抗がん剤の作用を増幅させるといった効果が報告されています。
従来の市販のビタミンCサプリメントでは小腸の吸収能力に限界があるため効果的にビタミンCを摂取することはできませんでした。しかし最近は特殊なナノカプセルに包まれたビタミンCサプリメントというものがあり、普段から高いビタミンC濃度を維持することが可能ですので、がん患者さんにぜひお勧めします。