2016.04.10
わたしたちは、食べ物や飲み物を10分の間一切取らなくても健康上何の問題もありませんが、息を10分間止めて生きていられる人はまずいないでしょう。このように我々の身体は常に酸素を全身に行き渡らせていなければ生命を維持することはできないのです。
人の60兆個の細胞は、ミトコンドリアという細胞小器官において酸素を利用してエネルギーを生み出し全身の機能維持に利用しています。
しかしながら、私たちは加齢やホルモン欠乏、睡眠不足、ストレス、感染症によって身体のすべての機能を正常に果たすのに必要なエネルギーをうまく酸素から手にいれることができなくなってしまいます(酸素利用率の低下)。すると、身体の酸化・老化、すなわち心血管疾患、慢性感染症、がん、自己免疫疾患などさまざまな病態がすすんでいきます。
ここで、酸素利用率を上げる治療法として「オゾン療法」というものがあります。ヨーロッパ、特にドイツでは長い歴史があり、市民生活に非常に浸透している治療法です。
オゾン療法では医療用の純粋酸素ガスを専用機器に通してオゾン(O3)を約200ccの自家血に通して再び身体に戻します。採血時にドロドロして赤黒い血液が、オゾンを通すことで一瞬で鮮やかな赤色に変化します。オゾンを含んだ血液は、体内のアミノ酸や脂質と即座に反応して過酸化物(オゾン化物)を形成します。するとオゾン化物は抗酸化能力を発揮させる酵素を刺激し、酸素利用効率を上げることができます。
オゾン療法は、さまざまな疾患に適応し、副作用もなく世界的に見れば効果について一定のエビデンスがあるという点で理想的な治療法の一つといえるでしょう。