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さくらクリニック・鹿児島市 | がん治療をはじめとする内科診療を行っています

さくらクリニック
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院長ブログ

賢い患者道 PART Ⅴ Vol.5 がん治療の新たな選択肢~遺伝子治療②

2017.05.10

前回は、遺伝子(というDNAの配列)の異常によって、がんが引き起こされるということを中心にお話いたしました。
今回は、遺伝子治療によっていかにしてがん治療を行うかをもう少し深く掘り下げてお話しようと思います。

遺伝子治療では正常遺伝子にはあるがん細胞には欠損している遺伝子をがん細胞に送り込むというのが基本的な戦略です。
遺伝子をがん細胞に送り込むには、ベクター(運び屋)が必要です。ベクターには無毒・非増殖性のウイルスを利用します。

最新の遺伝子工学によって、ウイルスベクターでがん治療に必要な遺伝子を包みこみ、毛細血管よりは大きくがんが作る新生血管よりも小さく設計することで、新生血管を選択的に
通過させます。
そしてウイルス特有の宿主細胞表面への吸着・細胞内への侵入機構によって、ウイルス粒子に包まれた遺伝子ががん細胞内部に届けられます。
うまく遺伝子ががん細胞遺伝子に「入り込む」「はまる」ことができれば、がん抑制たんぱく質が発現し、アポトーシス(自死)が誘導されます。

p53」;DNAの傷を修復したり、DNAの傷が多く暴走している細胞にはアポトーシスを誘導させたりするタンパク質を発現させます。
「PTEN」;血管新性やアポトーシス阻害を起こしながら起きるがんの増殖サイクルをストップさせるタンパク質を発現させます。
「TRAIL回路」;アポトーシスを強力に誘導する受容体タンパク質(デスレセプター)をガン細胞表面に発現させるための様々な物質を作りだします。

実際の治療では、がんの種類によってどの遺伝子が欠損しているかのデータに基づき、上記の遺伝子を複数組み合わせて注射によってがん細胞に送り込むことになります。

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