2019.02.03
インフルエンザの流行から、さくらクリニックでもインフルエンザに罹患してご来院頂く方が増えてきています。インフルエンザとは特異的なインフルエンザウイルスに感染することで症状が発生するウイルス性疾患です。感染力が強いことが特徴で、予防接種を受けていても残念ながら罹患する場合もあります。
インフルエンザの診断は鼻腔奥の鼻汁からウイルス検査を行うのですが、罹患していても100%の陽性反応が出るわけでは無いことに注意が必要です。一度陰性の評価があった後に高熱が出るなど、体の異常がある際は再度の受診をお願いします。実際にインフルエンザに罹患してしまった際の治療法は、発症後48時間以内であればインフルエンザウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が用いられます。発症後に時間が経過してしまった場合は抗ウイルス薬の効果が著しく低下するため、早めの通院は必須です。
患者様から「毎日飲む薬は無いのですか?」と質問をいただく場合もありますが、基本的に抗ウイルス薬以外の服用は不要と考えています。「安静に」「水分補給をして」「食事を摂る」を心がけて自己免疫で症状が回復するのを待つことが一番の治療です。高熱が出ることも免疫反応の一種となりますので、一概に悪い事とは言えません。当然、小児や高齢者などハイリスクの方はより慎重な対応が必要となりますが、投薬が無いことに不安を感じる必要はないと覚えておいてください。
最後に、「先生は毎日インフルエンザ患者と触れ合うのになぜ、インフルエンザにならないの??」と聞かれることがありますが、「医療関係者は普段からうがいや手洗い等、基本的な衛生管理と日常からの免疫力向上に気を配っているから。」と答えています。睡眠・食生活・適切なサプリメントの摂取・衛生面の管理でかなりの割合で罹患を防ぐことができます。日常から面倒に思わず免疫維持に取り組むことが一番の予防策ですね。