2018.12.02
胃がんは「感染症」と言い切る学説があるほど、ピロリ菌感染と胃がんの発症リスクは明確に関係していると言われています。研究結果によると胃がん患者の99%はピロリ菌感染が認められており、逆説的にはピロリ菌非感染≒胃がんに罹患しないともいうことができます。つまり、胃がんに罹患しないためにはいかにしてピロリ菌を遠ざけて生活をするかが最も重要であると言えます。
現在の日本は世界有数の「健康診断大国」であり、人間ドッグや内科検診の機会に「胃がんリスク健診」としてピロリ菌の感染検査を受けることができます。しかし、ピロリ菌感染に無頓着な方が多いことは少し心配なところです。ピロリ菌感染は無自覚なことも多く(放置すると胃炎となり自覚症状も。胃部の不快感がある方は感染ハイリスク)進んで検査を受けないことも無自覚の原因かもしれません。
現在ではピロリ菌の除菌は保険適用でも可能です。ピロリ菌感染を疑う場合、胃カメラでの検査に不安を覚える際は、血液検査でもピロリ菌の判定が可能となっています。将来のリスクを考えて、ピロリ菌に感染していないか調べていくことが最大の胃がんの防止策であると言えるでしょう。
実際に感染した場合の除菌方法ですが、お薬を飲む方法で8割程度は除菌が可能です。薬剤耐性がある菌など、難治性のものについてはオゾン水の服用で除去の実績もあります。ご心配な点がありましたら診察時にご相談ください。