2020.05.08
世界規模のコロナウイルスの流行について、今回は救急医療と災害医療の違いについておはなししようと思います。
目の前の患者さんに対して緊急に医療的な関わりを持たないといけない場合を考えた場合、この医療は救急でしょうか、災害でしょうか。
自然災害が起きたら、「災害!」って思われる方も多いと思いますが、そうではありません。
キーワードは、「医療資源」です。
医療資源とは、医師・看護師などの人だけでなく、マスクをはじめとした医薬品、人工呼吸器などの医療機器全てを指します。
医療資源が足りなくなったときに、その医療は、救急医療ではなく「災害医療」となります。その場面では、「限られた医療資源を誰に優先させるべきか」、という選別(トリアージ)が生じるからです。医療崩壊という言葉で置き換えてもよいでしょう。
東京や大阪や福岡といった地域の医療は、もはや「災害医療」のレベルになっていると思います。医療崩壊が起きると、「(コロナウイルスが流行する前の)本来ならば助かるはずの患者が命を落とす」、ということが頻発します。自分の大事な家族や友人が、何ら医療を受けることなく命を落とすということが起きてくるということです。
鹿児島県は現在(2020年4月29日)のところ、10名程度の新型コロナウイスル感染者が確認されていますが、感染経路がたどれており、市中感染は確認されていない状態です。
現在鹿児島の医療行政は、コロナウイルスの重症患者を限りなくゼロにするにはどうすればよいかを毎日議論しています。
これは、私達さくらクリニックも鹿児島の医療を担う施設の一端として否応無く考えなければならないことです。一般にいわれている「3密を避ける」というのは当然として、これとは別に私達が考えることもあります。それは、「私達全員の免疫力を上げる」ということです。突拍子もない壮大な理想に思えるかもしれませんが、私はじゅうぶんに可能なことだと思います。
人間は疲れやストレス、低栄養状態になったときに「からだが酸化」します。からだの酸化によって、好中球やMφ(マクロファージ)やT細胞やB細胞の元気がなくなります。つまり免疫力がさがってしまうということです。からだの酸化を予防するということは、コロナウイルスだけでなく、全てのウイルス、細菌からからだを守ることになります。
万が一、私達が住む街でこれから医療崩壊が起きても、「自分は絶対に感染しない!」といえるだけの備えをすることは大事だと思います。(以前から啓発している手洗いもどうぞ継続されてください)