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さくらクリニック・鹿児島市 | がん治療をはじめとする内科診療を行っています

さくらクリニック
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さくらクリニックBLOG

院長コラム 2021年5月号「油=身体に悪いは大間違い!健康的な油分の取りかたとは??」

2021.05.01

さて、前回コラムでは「ケトン食」についての解説を簡単に行いました。ケトン療法についておさらいすると、低炭水化物・高脂質の食事を行い、通常は主なエネルギーとして使われている糖から、主に脂肪を燃料として使用する「ケトン回路」に切り替える療法を言います。
てんかん治療やがん治療の分野でも取り入れられており研究が進んでいるのですが、よくある質問として、「そんなにたくさんの油を摂ったら身体に悪いのじゃない?」というものです。
確かに油・脂肪のイメージはヘルシーの対極にあるものですし、ご質問の背景も理解できます。
しかし回答としては「考えた油分の摂取はより良い健康状態を構築する可能性が高い」と考えています。

現在、日本の食卓ではサラダ油が多く使われており、意識せずに摂取する油の質が偏っています。このサラダ油というのが主にリノール酸(オメガ6系)となっており、これは体内では合成する事の出来ないことから必須脂肪酸と呼ばれています。
必須脂肪酸なのだから当然摂取しないといけないのですが、あらゆる料理に使われているため割合的には過剰瀬摂取していることが多く、バランスが悪くなっているのが現状のようです。
バランス的に不足しているのはα-リノレン酸(オメガ3系)であり、健康増進のためには摂取量を増やしていく必要があります。
なぜなら、前回お話ししたイヌイット民族の低いガン罹患率や心臓病・脳血管に関わる疾患の罹患率の低さはどうやらこのバランスに起因しているようだからです。
寒冷地の為野菜や穀物が取れないことから、かつてイヌイットの食事は肉食中心。アザラシやクジラ、魚など海産物を周年食べていました。
これらの食品に共通することはα-リノレン酸が豊富であることです。α-リノレン酸は体内ではEPA・DHA・DPAなどに変換され、血液がサラサラになる効果に加え脳の活性化、炎症反応抑制を行います。
対してリノール酸は炎症を増進する傾向があるため、両者の摂取バランスがリノール酸に偏ってしまうと、血液がドロドロし炎症を起こしやすい身体に変化してしまいます。
イヌイット民族の食事は、α-リノレン酸が十分量摂れていたためガンを予防し、サラサラの血液が心臓病や脳の血管異常を防いでいたことが確認されています。

異常の事から、脂質の摂り方について「リノール酸の摂取量を抑えてα-リノレン酸の摂取量を増やす」ことが重要と言えます。
代表的なα-リノレン酸が豊富な動物性の油は魚!魚を沢山摂ることが望ましいですが不足する場合はフィッシュオイルなどのサプリメントなどで補うことも有効です。
植物性の油では、えごま油・しそ油・あまに油など。最近は健康志向の高まりからスーパーなどでも売られていますので、1日スプーン1杯~2杯程度は摂取する習慣をつけると良いでしょう。
最後に油分全体に言えることですが、酸化した油は身体に様々な悪影響を与えるので徹底して避けなければなりません。空気に触れる・熱を通すが酸化のトリガーですので、作り置きをせず、常に新鮮な状態での摂取を心がけてください。

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