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さくらクリニック・鹿児島市 | がん治療をはじめとする内科診療を行っています

さくらクリニック
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さくらクリニックBLOG

院長コラム2024年3月号「癌治療とビタミンC点滴療法」

2024.03.01

先月の当コラムに花粉症の話を書きましたが、今年は飛散が特に早いようで2月中旬以降は花粉症外来の方が目に見えて増えてきました。春になるのは良い事なのですが、花粉は要りませんよね。皆様の辛い症状が緩和する事をお祈りしています。
さて、今月はビタミンC点滴療法の話。本格的にさくらクリニックで取り入れて早くも十余年。トータルでは10000例を超える症例となってきました。
前ページにもあるように、疾病の予防を目的としてビタミンCを使うこともありますが、その際は10g~25gと比較的に少量でも十分に目的に達するようです。
対して、癌治療目的でビタミンC点滴を用いる場合は50g~100g程度の投与量が必要となることが殆どです。
癌の患者様にビタミンC点滴を実施するメリットは二つあり、一つは抗がん剤や放射線治療といった標準治療とは別の方向性から癌細胞を抑制する効果が期待できること。もう一つは抗がん剤や放射線治療による副作用を軽減する可能性があることです。
実際に受けられている方は標準治療と併用の方も多く、標準治療+αの効果を狙うとともに副作用による体力減少を防ぐ事を目途としています。
対して副作用としては点滴中~終了後にかけての頭痛、倦怠感等が挙げられます。高濃度のビタミンCを投与する際には希釈するための水分が多くなるため体内の水分バランスに影響が出るのですが、ビタミンC点滴は血液中のビタミンC濃度を素早く上昇させるため一般的な点滴よりも滴下速度が高い事がより一層水分バランスに影響を与えてしまいます。
しかし、これらの症状は翌日まで持ち越す事は無く消失しますので、その時点で苦しいこと以外は大きな問題となることはありません。
但し、この水分量の問題から胸水や腹水がある程度以上に貯留している方は却って身体に悪影響を与えてしまうことがあります。
同様に水分の問題から、心不全の方、重度の腎機能低下の方はこの治療を受けることは出来ません。
紙面の都合からビタミンC点滴の癌細胞に対するアプローチの詳細は今回記載する事が出来ないため、機会を見て改めてご紹介したいと思います。
癌は罹患者の増加から一般的になってきていますが、点滴療法による癌治療はまだまだ一般的な治療とは言えません。勿論すべての症例に効果が期待できるわけではありませんが、治療の選択肢の一つとして、ご興味のある方はご来院の際にお声がけください。

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