2013.02.08
2月は心血管系の病気、心筋梗塞発作や脳卒中が原因と推測される救急搬送が多い月です。特に高齢者の入浴時の脳卒中には注意が必要です。
脱衣所で体温が低下し、浴室に入るとタイルで足底が冷え、シャワーはすぐにお湯にならず寒い思いをしたりと、湯船につかる前に数回の温度変化を感じます。
それにより、寒冷刺激がストレスになり血圧や血液組成の目まぐるしい変化が起きます。
そして浴槽に入った途端、体が水圧を受け血管に負担がかかります。浴槽から出ると、水圧による抵抗がなくなり、血管内の抵抗が減り、反動で一気に血圧が低下します。
このように「浴槽から出る」というこれだけの動作でも、この瞬間に血圧が大きく変動し、脳卒中が起こり易くなります。
そこで、次のことに注意して入浴時の脳卒中の危険を少しでも減らしましょう。
★脱衣所を事前に暖めましょう
入浴時のストレスと血圧の変動は脱衣所に始まり、脱衣所で終わります。ストレスになる寒冷刺激を避けるには、脱衣場を暖かくする事が必要ですね。
★入浴30分前に水分補給を
あまり意識されませんが、入浴時の発汗は、湯船であたたまる時間が長いほど増加します。長湯の人は入浴中に知らずに脱水症状が進み、血液が濃縮することになります。水分の多いサラサラした血液と、濃縮したドロドロした血液なら、どちらの血管が詰まる危険が高いか、簡単に想像できると思います。入浴の30分程度前に水分を補給しておけば、入浴に伴う脱水の程度が軽くなります。
★お風呂上がりの急な体温変化に気をつけましょう
バスローブは日本の家庭では、あまり普及していませんが、入浴後の体温変化を小さくしてくれる優れものです。バスタオルで体を拭くまでに体が冷えないよう、冬場はお風呂から出たら、脱衣所でまずバスローブを羽織って暖房が効いた空間に移動してみましょう。ちょっとした工夫ですが、これだけでも入浴に伴う脳卒中発作の発生を小さくすることが可能なのです。