2020.07.01
新型コロナウィルスの感染拡大後、メディアの報道からも聞かない日はないくらい良く聞く言葉となったのが「抗体」でしょう。
意味はなんとなく理解しているという方が多いでしょうが、今回は基本に返って「抗体」についておさらいしてみたいと思います。
抗体とは、特定の異物に結合して、その異物を生体内から除去するための分子です。
異物が体内に入るとその異物にある特徴と合致した形で結合する抗体を作ります。「抗体」との対比で「抗原」と言われるものは、この異物の特徴と考えてください。
体内でオーダーメイドされた抗体は抗原と結合する事でその行動を鈍くします。また、免疫に働きかけ、ウィルス感染した細胞を攻撃したり貪食細胞による捕食を促進します。
最近話題の新型コロナウイルスの抗体検査とは、感染履歴があれば特異的な抗体ができていることから過去の感染履歴が分かるという仕組みです。
この際、調べる抗体の種類がIgG抗体とIgM抗体の2種類です。
IgG抗体とは血液中に留まる時間が長く、抗体としての主戦力なる種類の抗体です。対してIgM抗体は感染初期に生成される抗体で、IgG抗体が主力になると徐々にフェ-ドアウトしていきます。
この仕組みから、IgG抗体のみが陽性の場合は当分前に感染していた痕跡があったことが分かります。対してIgM抗体が陽性の場合は感染初期の疑いがありますので更に抗原を調べる必要が出てきます。さりとて、新型コロナウィルスにおいて体内にどれほどの期間この抗体が残るかは不明の点が多いため中々安心できる情報は少ないものです。
さくらクリニックで処方している点鼻液は感染に弱い部位である粘膜に抗体を張ることで、ウイルス抗原と結合し人体への感染を防ぐ意味で理にかなっていると考え導入しました。
中々スッキリしないこの流行ですが、使える手段は使って予防していきたいものです。