2021.02.15
こんにちは。さくらクリニック訪問リハビリテーション事業部の田中です。
前回、「高齢者の移動手段の確保について思うこと」というタイトルで記事を記載致しました。今回はその続きの内容です。
私達が日々、訪問リハビリテーション事業を営み、お客様に対しご支援させて頂く中で特に大事にしている事があります。
それはサービスをご利用になられるお客様自身の「モチベーションの管理」です。
例えば、リハビリを開始する最初の状況及び現時点を、「出発点A」とします。
そこから、リハビリを行うことで最終的に「何ができるようになりたい、どこに行けるようになりたい」といった、お客様自身が希望する目的及びゴールを、「目的地B」と定めます。
リハビリとは、いわば「出発点A ⇒ 目的地B」までの線路をスムーズに走る為の電車を指し、電車が走る為に必要となる「燃料」、これがお客様自身のモチベーションです。
ではこの燃料となるモチベーションは如何にして生まれるのか?
例えばリハビリを継続する中で、「前より今の方が少しずつでも良くなっている」といった小さな変化が生まれ出します。この小さな変化の連続が「自分は前に進んでいるんだ」という成長実感に繋がり、結果としてモチベーションへとなっていきます。
これは、年齢問わず私達の日常生活においても同様です。
従い、このモチベーションについての重要性は言うまでもありませんが、ここで問題としている事とは、仮にいつまでたっても電車が目的地Bに到達しないという状況が起きたとしたらどうでしょうか!?
例えば、お客様がリハビリを行う目的を「大好きな天文館にもう一度行って現地の雰囲気を感じたい」と定めた場合、目的地Bは天文館に行くこととなります。
しかし、その目的を支援する為の手段(交通手段や援助者の協力等)の確保が難しい場合、多くのケースは目的を断念せざるおえないという事に繋がります。
残念なことですが、実はこうしたケースは現実として決して少なくはありません。
その背景にはこうした社会的課題(介護保険制度上の問題や、移動手段の確保等による課題)があります。
様々な観点からみて、こうした社会的課題の解決が少しでも図れるような体制づくりを、当事業所としても今後も検討していきたいと思います。