2021.05.15
こんにちは、さくらクリニック訪問リハビリテーション事業部の田中です。
今回は「人の判断」をテーマに、「あなたの判断は、得or損していますか?」という内容で記事をまとめて書いてみました。
宜しければ、日頃の判断の振りかえりとして、是非参考にされてみて下さい。
僕らは人生の中で、日常的な小さい判断~人生の岐路にかかわる大きな決断迄、日々様々な場面で判断を繰り返し行っています。
例えば、仕事や学校、プライベート、対人関係、お金を使う買い物や、進路や職選び、恋人選びや大事なパートナー選び等。
こうした場面において、基本的に人は「自分は物事を正しく判断して選択できている、間違った判断はしていない」と考えやすい傾向があります。
しかしながら、以下のようなケースではどうでしょうか!?
A:本当は〇〇した方がいい。
B:(だけど、でも、どうせ)〇〇だから。
上記の場合、殆どの人はAを選択した方がいいと分かっていても、このように考えて「B」の感情を優先し、自分が損しない為の選択をしてしまいます。
「本当は分かってはいるけど、(だけど)やめられない・・」。
こうした経験はきっと誰しもあるのではないかと思います。
しかし自分が損しない為に選択したはずのBが、かえって損な結果ばかりに繋がっているとしたら、なんとも不合理な結果と言えます。
何故、人はあえて自分が損な選択をしてしまうのでしょうか??
1.ネガティブ本能
人の脳は主に「ポジティブ<ネガティブ」な感情を伴う情報に対して、強く反応しやすい傾向があります。
(例:ネガティブ感情「不安・恐怖・焦り・迷い・羞恥・面倒くさい・嫉妬等」)
例えば、一日に3個いい事があっても1個嫌な事があれば最悪な一日と考えてしまう。自分や他人のダメな所や足りていない所ばかりが気になる等も同様です。
これは人の脳が、主に狩猟時代のDNAを多く引き継いでいるからだと言われています。その時代の主な悩みは「如何にして、今日の食糧をとるか」。
しかし、狩りに出たら猛獣に襲われるかもしれない、食料が豊富な土地を求めて集落を移せば思わぬ天災に見舞われるかもしれない、山に食糧を摂りに行けば仲間とはぐれてしまうかもしれない等と、常に「死」と隣り合わせの不安や恐怖がありました。つまり「不安や恐怖」等のネガティブな感情はこの時代では「生存本能」であったという事です。しかし時代が変わり現代、世の中は劇的に変化しました。
狩猟時代のような「死」と隣り合わせのリスクは限りなく少なくなった為、生存本能として働いていたはずのネガティブな感情は、現代ではミスマッチとなり「ネガティブ本能」として、僕らの足かせのようになって引き継がれたという事です。
2. 思い込み(=バイアス)
人は自分の意思決定の殆どを、感情により直観に頼っています。
直観にはいくつかメリットがある一方で、反対にデメリットも存在します。
一番の問題は、感情に流されやすく「思い込み(=バイアス)」に捉われやすい事。
その為、自分でも気づいたら無意識の内に、勝手に思い込みに捉われています。
実際に、仕事や学校、プライベート、対人関係、お金を使う買い物や、進路や職選び、恋人選びや大事なパートナー選び等、様々なケースで感情により直観で判断している為、思い込みに捉われやすく、各種様々なトラブル等に発展してしまいます。
では、ここで一端話しを戻して振り返ってみましょう。
僕らが物事を判断する時に、以下のAとBの感情があったとした場合、
A:本当は〇〇した方がいい。
B:(だけど、でも、どうせ)〇〇だから。
「B」を選択しやすいのには、
脳は「ポジティブ<ネガティブ」により、ネガティブな感情を優先します。
一端ネガティブな感情が発動されると、脳は反射的に「逃げるor闘う」等の選択を迫り、冷静な判断能力を失うことで、無意識の内に、思い込みに捉われてしまいます。
よって、以下のような行動様式を選択しやすくなります。
→ 未来の利益よりも、今現在の利益を追いかける(=現在バイアス)
→ 変化を嫌い、現状を維持する(=現状維持バイアス)
→ 損すると分かっていても、やめられなくなってしまう(=サンクコスト効果)等。
如何だったでしょうか?
次回は、こうしたネガティブな感情を伴うケースでも、思い込みを回避して、損しない為の判断方法について、ご紹介していきたいと考えています。
ここまで長々とお付き合い頂きましてありがとうございました。