2022.06.01
当コラムなどでも何度かお伝えしていますが、日本は糖尿病大国と言っても良いほど、血糖コントロール不良の方を診察する機会が多くあります。
糖尿病については多くの方は何となくご存じかと思いますが、インシュリンの分泌障害によって引き起こされる疾患です。
1型・2型の2種類で分類されており、1型が遺伝的要因などでインシュリンが分泌されないもの、2型は運動不足やカロリー過多など生活習慣が原因となりインシュリンの分泌が不安定となっているものです。
当然に2型の方が多く、日本では95%以上は生活習慣が原因の2型糖尿病と推定されています。
と言うことは生活習慣を改めて糖尿病を予防する必要があるのですが、まず一番に改めるべき事柄は「血糖スパイク」を伴う食事習慣であると言えます。
血糖スパイクとはその名の通り、食後に血糖値がトゲの様に上昇する様を言います。
血糖値の急上昇が起こると、これを下げようとインシュリンの過剰な分泌を招き今度は必要以上に血糖を下げると言った現象も起こります。
身近な体感でいうと食後急に眠くなる・怠いといった事象もこのようなメカニズムから発生しているのです。
この程度の症状が起こるだけであれば、そんなに神経質になる必要は無いと思われるかもしれませんが、実はこのようなスパイクを繰り返すことによってインシュリンの分泌量に異常をきたし、糖尿病罹患の大きなリスクとなっているのです。
それだけではなく、血糖スパイクは血管にダメージを与えてしまい、動脈硬化のリスクも高まりますし、心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクも抱えることとなってしまいます。
インシュリンの分泌異常が非常に危険な生活習慣病であることがおわかりいただけるでしょう。
さて、ではどのような生活習慣が好ましいのか?わかりきったことですが暴飲暴食を避けることと運動の習慣を持つことが一番の予防法となります。
カロリー過多の生活は様々な疾患の下地になります。出来ればご自身の基礎代謝を計算して1日何キロカロリー程度の摂取が適切なのかを調べることが重要です。
次に血糖の急上昇を抑えるために食物線維を積極的に摂取しましょう。
特定保健用食品として人気の「糖の吸収を抑える」を売りとしたお茶などは食物繊維を配合しており、その働きで糖の吸収を穏やかにする仕組みとなっています。
さくらクリニックでは漢方の桑葉には「降血糖」があること利用した医療用サプリメント桑葉青汁を推奨しています。
現在では桑葉の成分分析から、「デオキシノジリマイシン」という物質が糖の吸収を阻害する要因になると明らかになっており、古くから伝わる効能が裏付けされた形となっています。
治療のみではなく、ライフスタイルの改善で未病の状態から改善を目指す、そういうクリニックとして診療に当たっていきたいものです。