2022.11.01
南国鹿児島も朝晩は肌寒くなってきました。
ここ数年は新型コロナウイルスの流行があり、年中発熱や風邪症状の患者様を診察してきましたが、本来はこれから寒くなる季節に風邪症状の方が増えてくるのが自然です。
コロナ予防に伴ってインフルエンザも数年流行していませんが、今年はコロナとのダブル流行も懸念されており、まずは風邪をひきにくい体作りが必要ですね。
さて、最近は免疫力と腸内環境の関係の理解が進んできて、雑誌などにも「腸活」のワードが良く登場しています。
今回は私の考える良い腸活についてお話してみたいと思います。
まず要となってくるのが毎日の食事。
漠然と発酵食品が良さそうというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、それ自体に間違いはありません。
テレビCMなどでも聞くワードですが、善玉菌そのものを持っている食品を「プロバイオティクス」と呼びます。
身近なところでは納豆やヨーグルトなどの食品ですね。
腸内の善玉菌を増やすためにはこれらの食品の摂取は欠かせませんので、毎日の食卓に積極的に取り入れていくことが重要です。
忘れがちなのが「プレバイオティクス」と呼ばれる腸内で善玉菌のエサとなる食品の摂取です。
善玉菌のエサとなるのは主に食物繊維とオリゴ糖の二種類となりますので、プロバイオティクス+プレバイオティクスを複合的に摂取しなければ腸内の善玉菌が上手に増えてくれません。私のお勧めする食物繊維豊富な食品はキノコ類と海藻です。特に海藻は意外と食べる機会が少ないようなので意識的に取り入れていくべきでしょう。
オリゴ糖に関しては野菜や果物に多く含まれています。特にバナナなどはいつでも食べやすいので腸活の強い味方ですね。
最後にあまり知られていないのですが、腸内環境の改善にはアミノ酸の一種であるグルタミンが非常に重要です。
グルタミンは腸内の絨毛の栄養源になるのみではなく、リンパ球や好中球、マクロファージなどの免疫細胞の栄養源ともなります。
免疫力アップの秘策にグルタミンの摂取を意識してみてください。
食品から摂る場合は卵や肉類等に豊富に含まれていますが、腸活的には食事からだけでは少し足りないようです。
グルタミンのサプリメントは比較的安価に販売されていますので、1日1回を目安に摂取をお勧めします。
今の時期から腸の健康を意識した生活に転換すれば、きっとこの冬も健康に乗り切れることでしょう。
実践するうえでご質問がありました、いつでもさくらクリニックスタッフにお声がけください。