パーキンソン病（グルタチオン点滴）外来｜鹿児島市･さくらクリニック

パーキンソン病について

パーキンソン病は日本では人口10万人あたり約100人の有病率であり、65歳以上では人口10万人あたり約200人と推定されています。

パーキンソン病の典型的な症状として手足のふるえ（振戦）、硬直、動作緩慢や姿勢の異常が見られます。パーキンソン病の振戦は静止時に強く、運動時には軽減するという特徴があります。動作が緩慢となる症状はパーキンソン病のもう一つの特徴的症状です。

歩行時の第一歩が出にくくなり、椅子からの立ち上がりなどに困難を感じます。病状が進行すると歩行時の姿勢は前かがみで、小刻みな歩行となります。さらに進行すると嚥下障害も出現しベッドで寝返りを打つことも困難になります。

グルタチオン点滴とは？

日本では既に40年以上も前からグルタチオンを自家中毒、つわり、妊娠中毒、薬物中毒、慢性肝炎の治療に使用していました。

アメリカでは、パーキンソン病の機能改善と病状進行の遅延を目的として多くの施設でこのグルタチオン点滴療法が行われています。

また抗がん剤による末梢神経障害にも有効性が認められており、現在南フロリダ大学でさらなる研究が進められています。

グルタチオンとは、人間の体内に広く分布するアミノ酸が３つ結合したペプチドという化合物です。強力な抗酸化作用があり、人間の身体をさびつきから守ってくれる代表的な物質です。アメリカでは、Dr. David Perlmutterがこの治療を広めており、彼によればパーキンソン病に対する効果は非常に高く、これはグルタチオンがパーキンソン病の原因と考えられているドーパミン受容体の感受性を高めるからであろうと考えられています。

さらにグルタチオンは、セロトニン受容体の感受性を高めることでパーキンソン病によく見られるうつ症状の改善にも有用です。 そして、グルタチオンは抗ガン剤の副作用で見られる末しょう神経障害に対しても有効です。

さらに多発性硬化症や線維性筋痛症といった、特効薬のない難病の治療に対しても用いられており、多発性硬化症では神経症状の緩和、線維性筋痛症では疼痛緩和などの効果が見られています。また、解毒作用や抗アレルギー作用があり慢性肝炎における肝機能の改善に期待できます。

パーキンソン病の治療について

パーキンソン病は大脳基底核の線条体という部位でのドーパミンの不足が原因であることが判明しており、これに基づきL-dopaというドーパミンを補うようなお薬を使う治療が現在のパーキンソン病に対する標準治療となっています。しかしながらL-dopaの効果は一時的であり、L-dopaにより活性酸素の産生が増加し病気の進行を早めるという警告もなされています。

パーキンソン病に対するグルタチオン点滴療法は、通常のパーキンソン病に対する治療薬が効かない例に対しての臨床試験も行われており、症例によっては非常に効果が認められています。 抗酸化物質の中でも最も強力なグルタチオンは、脳内で絶えず発生する活性酸素を消去して、活性酸素から脳神経細胞を守る極めて大切な役割を担っています。

ところが最近になって、パーキンソン病では、この大切なグルタチオンが脳内に著明に減少していることが明らかになりました。

イタリアSassari大学のチームがこの欠乏したグルタチオンに着目してパーキンソン病患者にグルタチオンを点滴したところ、パーキンソン病の症状が明らかに改善され、この療法が注目されるようになりました。 手足の振戦、筋硬直、動作緩慢、姿勢の異常や歩行障害など、パーキンソン病の症状が殆んど消失した症例も多く、長年の車椅子から解放される症例まで現れたのです。

治療の流れ

• 有効率は40～60％で、劇的に効果があるケースからまったく無効である場合もあります。
• パーキンソン病の場合に、1回800mgから始めて徐々に増量、通常は1400-1600mgを点滴で投与します。この投与量は通常投与量の数倍になります。
• 頻度は週に2～3回、約3ヶ月間行います。病状の改善が認められれば、その後は維持プログラムとして週に1～2回のペースで治療します。1回の点滴時間は点滴の量によって異なりますが30分～80分となります。
• パーキンソン病の進行防止の場合は維持プログラムから開始することができます。

その他　効果の期待できる疾患

グルタチオンは体内に存在するタンパク質で強力な抗酸化作用があり、アンチエイジング医療の分野でも使用されています。またグルタチオンは高い解毒（デトックス）効果があり有害金属や有害化学物質の排出に関しても効果が期待できます。

副作用・リスク

食欲不振・悪心・嘔吐等の副作用が報告されていますが、発生頻度はごく稀です。点滴中に同様の症状が発生した場合はお知らせください。

未承認医薬品等であることの明示

本治療に使用するグルタチオンは日本において、自家中毒・慢性肝炎の肝機能改善等には承認を得ていますが、パーキンソン病治療においては未承認医薬品であり医療保険制度はお使いいただけず自費診療となります。

入手経路等の明示

国内の製薬会社から入手。

国内の承認医薬品等の有無の明示

グルタチオン注射用200ｍｇの名称で複数の製薬会社に承認医薬品有り

諸外国における安全性等に係る情報の明示

諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

料金について